アメリカ合衆国における政府閉鎖(アメリカがっしゅうこくにおけるせいふへいさ)は、次の会計年度の歳出法案が可決されず、あるいは特別措置が行われなかった場合に発生する。不足金請求禁止条項により、歳出法案をめぐる政治的行き詰まりにより予算が失効すると、連邦政府は政府機関の活動とサービスを縮小し、必須でない機関を閉鎖し、職員を一時帰休させねばならない。人命の安全や財産保護に関わる機関と職員のみ活動を許される。政府閉鎖は、連邦政府だけでなく、州や海外領土、地方の政府でも発生し、政府活動を中断させられる可能性がある。
1976年に連邦政府の予算と歳出のプロセスが制定されて以来、連邦予算において22件の資金不足が発生し、そのうち10件で職員を一時帰休させる事態となった。1980年に司法長官のベンジャミン・シヴィレッティが「資金不足が発生したら政府は閉鎖されるべきである」といった内容の法律意見書を発するまで、資金不足により政府が閉鎖されることはなかった。この意見書は、1980年代を通して一貫して実行されたわけではなかったが、1990年以降に発生した数時間以上の資金不足は、すべて政府閉鎖を引き起こした。
アメリカ史上で特筆すべき例としては、クリントン政権時代の1995年から1996年にかけて大規模な歳出削減への反対により発生した21日間の閉鎖、オバマ政権時代の2013年にオバマケアの施行をめぐる論争により発生した16日間の閉鎖、トランプ政権時代の2018年から2019年にかけてアメリカとメキシコの国境の壁(トランプの壁)の拡張費用の額をめぐる論争により発生した35日間の閉鎖(アメリカ史上最長の閉鎖となった)が挙げられる。
政府が閉鎖されると、(特に職員の不足により)国立公園と機関の閉鎖など、政府のサービスとプログラムが中断させられる事態となる。政府の歳入の損失は、職員の一時帰休による労働力の損失、閉鎖中に支払われるはずだった料金の損失によるものが大きい。また、閉鎖により、(閉鎖された期間に応じて)経済成長の大幅な低下が引き起こされる。2013年の政府閉鎖では、格付け機関のS&P グローバル・レーティングが10月16日に述べたところでは、閉鎖により経済から24億ドルが失われ、2013年第4四半期のGDP成長率が年換算で少なくとも0.6%減少したとされる。
連邦政府
州政府・海外領土政府
郡政府
脚注
外部リンク
- Congressional Research Service: Shutdown of the Federal Government: Causes, Processes, and Effects
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